猛禽スタッフが持っているニッパーの使いどころ

掛川花鳥園バードスタッフ

2017年04月17日 11:30

4月17日 みなさんこんにちは!!
バードスタッフ片岡です!!

暖かい!!
タイツ的なものを着て出社するのがつらくなってまいりました。
さらに雨が続き湿気の嵐。
そうだ、除湿器を買おう。




なんの話をしましょうこの話をしましょう。



動物関係者なら必ずと言っていいほど習得している、「保定(ほてい)」についてお話しようかと思います!!
動物学校を出る方、もしくは出た方は授業で習ったかもしれませんね。

保定とはつまり、「動物の治療又は、健康維持等の処置を行うにあたり、動物も人間も不要なけがをしないように行う動物の固定方法」です。
もっとさっくり言えば「動物の正しい抑え方」です。


世界にはやばいほどたくさんの生き物がいます。
人間含めてね!!


それに比例するかのように体の形も様々です。
という事は、全ての生き物に同じ保定方法が通用するわけでは無いのですよ!!
あたり前ですが!!

セキセイインコの保定方法がアカカンガルーには通用しないのです!!




今回は、ブログのタイミングで保定を行う機会があったので、猛禽類の保定方法を紹介します。

スペシャルサンクス
カンムリカラカラ「グリフォン」、モリフクロウ「くくの」、メンフクロウ「りゅう」



STEP1
ファーストコンタクト。


この段階では、保定というよりも「捕獲」です。

腕に乗せている状態、もしくは止まり木等に乗せている状態で、鳥の両脚を一緒に持ちます。






片脚だけ持ってしまうと、逃げて変な方へ飛んだ時、ねじれて脚を痛めてしまうかもしれません。
うまく修正してコントロール出来る人は別ですが、自信がない人は一度脚を離した方が良いかと思います。
しかし、二回目からは鳥もキンキンに警戒しているので、捕獲自体が難しくなります・・・!!
一発で捕まえましょう。

馴れてない子を捕獲する場合は、行う場合は、一度網で完全に動きを止めてから脚を持つ場合や、ハヤブサではマスクを着けてから行う事もあります。



STEP2
ここから保定本番です。








保定する人が、空いている腕を使って鳥の背後から抱きつくように持ちます。




脚は必ず持ったままです!!

落ち着かせるために布をかぶせたりもします。





・・・見ています。


保定完了です。




今回は、爪や嘴を切る為に保定をしました。






爪を切る時は、ついでに足の裏の健康状態も見ます。
家で鳥を飼っている方は、特に見てあげてください!!
鳥の足の病気で、なかなかに厄介なのが「趾瘤症(しりゅうしょう)」と呼ばれるものです。
かなり初期段階だと、1mm位の小さなタコっぽい物が出来ているだけですが、ひどくなると大きなコブのように腫れてきます。
よく言われるのが、足裏の同じ場所にだけ体重が乗り続けると、趾瘤症になりやすいらしいです。

かなりメジャーな事なので、「お前に言われんでもわかっとるわ!!」の方もいるかと思いますが笑
今一度ご愛鳥の足裏確認を!!





今度は嘴を切ります。

かなりの割合でお客様から「嘴も切るんですか!?」と驚かれます。
全く鳥を知らない人だと、人間の歯みたいなものだと思うみたいです。
どんどん伸びてきますし、猛禽の上嘴は、下に湾曲しているので、伸びすぎると下嘴にぶつかり口が閉じなくなります。
ひじょーーーーーに食べにくい!!





一度嘴を閉じて、切る分を決めてから切ります。






最後に形を整える為にやすりがけをします。






やすりもあまりかけすぎると、口の中を傷付けてしまうので注意しましょう。
「これやする必要ある??」ってくらい綺麗に切れたら、やすらなくていいです。



ここで最後にたくさんご飯をあげる!!

「よく頑張ったね!!」や「今日の出来事は忘れてくれ!!」や「静まり給え~」等々、人間側の感情はなんだっていいです。
とにかく「ごはんをあげる」という行為が大事です。



個人的には「忘れてくれ」と、良い方に行けば「保定をされた後ご飯を貰えるから、保定WELCOME☆」と思ってくれれば儲けもんです笑
もちろん鳥に「保定」という概念は無いので、簡単に「嫌な事をされてもごはんが出てくる」という覚え方になるのかなと。

整えた後は、グリフォンの場合お部屋にそっと戻します。
戻した後にごはんをあげます。





足に紐を付けた状態で行っていた場合は、紐をしっかり持ち、鳥の体を開放して、腕に乗せます。
そのあと腕に乗せたままごはん。




りゅうは少し暗い所で行っていたので、この写真だけ登場です笑

グリフォンは、すでに何回か保定はしているので、部屋に戻った後すぐにごはんを食べました笑
当日撮れてなかったので、上の写真は後日の写真です笑
こんな感じでごはんをあげましたよって写真です。


これで、今回の作業は終わりました。

このような動物に対して、大小あれど必ず精神面でマイナス要素が入る作業は、いろんな意見があるかと思います。

保定と言う専門用語はありますが、結局鳥にとっては精神的に良いものではありません(種類や個体によって例外も)。
ですので今回も、保定の時間を出来るだけ短くするために、写真を撮る時は作業は流したまま撮っていました。

結果写真がぶれます笑

「もう一回この場面撮りたい!!でもその作業終わっちゃった!!」

なんてことがあるので、写真を複数羽で分けてみました笑
見にくくてごめんなさい・・・!!



そしてこの保定方法は、あくまでひとつのやり方です。
他にも保定方法はいくつかありますし、これじゃあ良くないと思われる方もいるかもしれませんが、一応私が今までやってきて、一度も事故が無かった方法なので紹介してみました!!




最後になってしまいましたが、生き物の心と体の回復に絶大な威力を発揮する方法を紹介します。


















寝。
鳥も、夢を見るのだろうか。












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酉年イベント!「今月の鳥」!




花鳥園内喫茶店では??



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気になる5月の鳥は・・・
花鳥園最大の鳥!!!




エミュー!
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お楽しみに!


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